Pelikanっていうドイツの万年筆メーカがあります。
わたしは、そのペリカンのM400というモデルの万年筆を持っています。
胴軸は緑色です。
ホームページなどで見ると、だいたいこの緑色のが使われています。
万年筆で書く良いことのひとつが、
文字を丁寧に書こうとすることだと思うのです。
メモだと、なんとなく乱雑に書いてしまうことがあります。
そのメモでさえも、万年筆で書くと丁寧になります。
万年筆を使うための儀式
書くための動作も、それなりに決まっています。
まず、キャップは胴軸にねじで固定されています。
ただ単に、差し込めばよいのではないのです。
インクの吸入方式は、ピストン吸入式という機構が採用されています。
胴軸の上の黒い部分を回すとピストンが動きます。
このピストンが下がった状態で、インク瓶からインクを吸い上げます。
その時に使うインクは4001ロイヤルブルーです。
ほかの色も使おうと思えば、もちろん使えるのですが、
わたしは4001ロイヤルブルー一筋で使用しています。
やはりペリカンといえば、ロイヤルブルーだと思っています。
書かれた文字を見ても、
このブルーでないと、字を書く喜びも半減してしまいます。
このところ使っていなかったので、
まずは、ペン先の洗浄から始めました。
やはり、万年筆を使うときの儀式という感じです。
いい加減には扱えないですね。
道具ですが、敬意を払って使わせてもらっています。
ペリカンを手に考えたこと
現在の中国の社会は、変化が非常に早くて、
じっくりと考える時間をとるのが難しい面があります。
目の前のことを追いかけるだけでも、十分すぎるくらいですが、
追われている感覚もあり、充実感を味わうより、
消耗する感じが強いのです。
その中で、ゆっくりとした気分で、
じっくりと考え事をすることは、精神的に重要な作業です。
ペリカンの万年筆を持ちながら考えたのは、
アイデンティティの確立ということでした。
自分が置かれる環境は、
国によっても違いますし、地域によっても変わってきます。
当然、周囲にいる人間による影響も大きいのは言うまでもありません。
そういう異なる環境の中で、自分は「よそ者」のままいられるでしょうか?
それは、人によって考え方が分かれるところかもしれません。
わたしの場合は、その環境の中に入っていきたい方のタイプです。
「朱に交われば赤くなる」という言葉もありますね。
でも、その環境に応じて、赤くなったり、青くなったりするのでしょうか?
核心にある部分は、それらの環境の中でも
大きくブレてはいけないと思うのです。
それが個性というものですが、
当然、周囲の環境に影響される。
その中で、確立されるべきアイデンティティとは、
どういうものなのでしょうか?
ペリカンから話題がそれてしまいましたが、
万年筆を手に持ちながら、あれこれと思いを巡らす時間は、
忙しい現実から、しばし至福のひと時へと誘ってくれるのです。
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